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少人数でゆっくりと

認知症対応型通所介護とは、認知症と診断された方が日帰りで通い、それぞれの能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な介護及び機能訓練等を行う地域密着型サービスです。

 

認知症の方にとって、最も大切な事は個別の対応。清華苑らんらんでは、少人数制(定員12名)でご利用者2名に対して、職員1名を配置しております。それぞれの心身の状態に応じて臨機応変に対応させて頂いておりますので、細かいスケジュールは決めておりません。おひとりおひとりの気持ちに寄り添いながら、ゆったりとしたひとときを過ごして頂く事が出来ます。

 

わたしたちは、今まで歩んでこられた人生を尊重しながらご利用者とかかわらせていただき、認知症のご利用者が清華苑らんらんに来て下さることで、ご利用者ご家族ともに笑顔が増えればと思っております

​ストーリー

ご利用開始から12年。どの職員よりも多く出勤?しているA様。昨年、体調を崩し利用中に意識レベルが低下し救急搬送。ご家族も含め誰もが「もしかしたら?」と最悪の事態を覚悟したに違いない。そんな中、献身的なご家族の介護で無事退院。「寝たきりになっても、歩けなくてもらんらんへ行けますか」と言ってくださるご家族。

 

精神疾患を患い若年性認知症と診断されたK様。50歳代という男性の利用に戸惑いながら、K様のしたいことや出来そうなことを可能な限り一緒に取り組んだ。正義感が強く男性同士トラブルも発生。「納得がいかない、話がしたい」と立腹。その度に事務所でお話したことも数回。「僕が良くなったのはらんらんのおかげ、もう1回仕事がしたい」「夢を叶える為に定時制の高校へ行く」と受験。みごと合格「学校が休みの時は来ていいですか?」と純粋に尋ねるK様。奥様のご利用が終了したにも関わらず、庭に咲いたぼたんの花を届けてくださるご主人。中島みゆきさんの名曲「糸」の歌詞で「なぜ巡り逢うのかを 私達は何も知らない」「いつ巡り逢うのかを 私達はいつも知らない」「どこにいたの 生きてきたの」「遠い空の下ふたつの物語」「縦の糸はあなた 横の糸は私」「逢うべき糸に出逢えることを」「人は仕合わせと呼びます」というフレーズがあります。「仕合わせ」?「幸せ」の間違いかと思い、気になり意味を調べてみた。「仕合わせ」とは「運命の巡り合わせ」を意味する言葉で、逢うべき人と巡り逢える「幸せ」と二つの意味を持っているそうです。

 

平成12年の開設より、運命の巡り合わせか自然に導かれ、誰かが繋いでくれた沢山の出逢いと別れには意味があり、出逢った方々にとって「清華苑らんらん」に「出逢うこと」が「仕合わせ」で「幸せ」であって欲しい。

「清華苑らんらん」で過ごす時間は、自宅での生活を送る上では、ほんの一部分にしか過ぎません。サービスを利用した後に、スムーズに在宅生活へバトンタッチ出来るための繋ぎ役を果たしていくことが私達の役目。在宅生活を支援し想像し続け「つなぐ」ことは在宅生活の限界点を高めることにも繋がっています。ご利用者・ご家族との関係性(信頼関係)は事業所の未来を明るくするエネルギーとなるに違いない。

 

清華苑らんらん 主任 生活相談員

エピソード

「ワッ!ハハハ~」と、朝から始まる魔法の言葉。
「言霊(ことだま)」という言葉がありますが、言葉には魂が宿っていて、言ったことは現実になると言われています。文字だけでは分からない人と人との繋がりがここにはあります。


迎えに行っても、ベッドから起きて来られないご利用者。
「おはよぉございます!らんらんです。お迎えにきました」と、顔を覗き目線を合わせご挨拶。すると、不思議なことにそっと目を覚まし、ゆっくりと起きてくださいます。そんな日は、朝のお弁当と朝薬持参。持参されるお弁当箱は、ご利用が昔、娘の為にと持たせたアルミのお弁当箱。「思い出して欲しい」との、娘様の思いが詰まっています。私達は、その思い共々「らんらん」に来て頂きます。
「今日は何しましょう?」「何か楽しいこと」「久々に書道しましょう」と、お話すると「嫌だよ。今更、字を書くなんて」の返答は想定内。「今日は、この絵を塗ってみましょう」と、半紙の下絵を塗って頂きながら、「素敵に塗れました。ここに名前を書いてくださいね」と筆を渡すと、ご自分で名前を書き、一文字二文字と大きく字を書いて下さいます。出来上がった作品を片手に満面の笑みです。


笑顔で始まり笑顔で1日が終わる。私達が笑えばご利用者も笑う。私達は、ご利用者の笑顔をご家族の心に届ける応援部隊です。
ご利用者の心は繊細です。日々記憶が薄れていく中で、何とかしたいと苦慮し、物事が理解出来ない不安にとても苦しんでいます。そのような不安を抱えながらも、職員の顔を覚えて下さり、私達のことを心に刻んで笑顔を見せて下さいます。


私達は、「貴方のことを大切に思っています」というメッセージを常に発信し、自分達が年老いた時に、してもらいたいと思う介護を提供していきたいと考えています。

清華苑らんらん 介護職員

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